フジフィルムは、新型APS-Cカメラ「X-T50」の4,000万画素センサーを搭載し2024年6月に発売する。
2023年6月に発売された「X-S20」には2,600万画素が搭載されている。
X-S20(X-S10)の方が、X-30Ⅱよりも上のクラスと思っていたので、なんとなく違和感がある。
そこで、X-S20に2600万画素センサーを搭載し、X-T50に4000万画素センサーを搭載する理由を考察してみます。
フジフィルムの機種別センサー
機種名 | センサー(発売日) |
---|---|
X-T4 | 2610万画素X-Trans COMS 4(2020年5月) |
X-S10 | 2610万画素X-Trans COMS 4(2020年11月) |
X-T30Ⅱ | 2610万画素X-Trans COMS 4(2021年11月) |
X-T5 | 4000万画素X-Trans COMS 5(2022年11月) |
X-S20 | 2610万画素X-Trans COMS 4(2023年6月) |
X-T50 | 4000万画素X-Trans COMS 5(2024年6月) |
旧モデルX-T4は2020年5月に発売され、その後X-S10が2020年11月に同じ「2610万画素X-Trans COMS 4」を搭載し発売されている。
しかし、X-T5が2022年11月に「4000万画素X-Trans COMS 5」を搭載して発売されたが、その後X-S20は旧型センサーの「2610万画素X-Trans COMS 4」を搭載し2023年6月に発売されている。
さらに、2024年6月にX-T50が「4000万画素X-Trans COMS 5」が発売された。
時系列で考えると、X-T5の約半年後に発売されたX-S20に旧型「2610万画素X-Trans COMS 4」を搭載していることに違和感がある。
X-S20に旧型センサーを搭載した理由
当ブログの考察では、「2610万画素X-Trans COMS 4」センサーの価格が2023年に大幅に値上げされたことが原因だと思う。
X-S10は品薄になるほと販売は好調だった。
わざわざ、新型のX-S20を新発売しなくても、X-S10のままで販売できたはずだ。
逆に推測すると、「2610万画素X-Trans COMS 4」を搭載したカメラを高く売る必要があったと思われる。
つまり「2610万画素X-Trans COMS 4」の価格が値上げされたため、X-S10の価格では採算が合わなくなったと推測される。
しかし、実売11万円のX-S10を機能そのままで18万円に値上げすることはできない。
そこで、「X-S10」に新しい映像エンジン「X-Processor 5」を搭載して20万円で販売することにしたのではないか?
そのカメラがX-S20だったのではないか?
X-S20の売上高予想
X-S20の月間生産台数は1万台~1.5万台、年間生産台数は12万台~18万台と推測される。
卸価格を15万円とすると累計の売上高は180億円~270億円になる。
これだけの売上高ならば、X-S20を新開発しても採算はとれていると推測される。
X-T50に新型センサーを搭載した理由
富士フィルムは自社でセンサーを生産していないので、他社(恐らくソニー)から購入するしかない。
ソニーは、センサーの生産コストを下げるため、数千億円単位の投資を行って大量生産しており、自社のカメラに搭載する量よりも多く生産している。
したがって、他社に外販をする必要がある。
そうは言っても、高性能センサーを生産できるメーカーはソニーなど数社しかないので、センサーメーカーの方が優位であり、フジフィルムはセンサーを10万台単位で大量に発注しないといけない。
フジフイルムはカメラの販売台数が少ないので、複数のセンサーを大量に購入することはできない。
そういう関係性の中で、例えばフジフィルムは「4000万画素X-Trans COMS 5」センサーを年間10万台単位で発注しているのかもしれない。
そのために、X-T50にも「4000万画素X-Trans COMS 5」を搭載することになったのではないか?
フジフィルムの今後?
実は、フジフィルムは、イメージセンサー(半導体)用カラーフィルター材料で8割以上の世界シェアをもっており、熊本工場など生産している。
フジフィルムが自社のカラーフィルター材料を値上げすれば、逆にフジフィルムが半導体メーカーから購入するセンサーの値上げにも応じないといけない関係にもある。
センサーの値上げ対策として、1種類当たりのセンサーの発注量を多くして、調達コストを下げる必要があると思う。
フジフィルムは、同じセンサーを使いながらも、ハイエンドカメラ、ミドルクラスカメラ、エントリーモデルというカテゴリーがあった。
例えば、X-T4を2020年5月に発売、次にX-S10を2020年11月に発売、さらにX-T30Ⅱを2021年11月を発売してる。
センサーなどの部品が発売以降に値下がりすることを利用して「時間差」で、ハイエンドカメラ、ミドルクラスカメラ、エントリーモデルと値段に差をつけてきた。
しかし、センサーが時間が経過しても値下がりせず、逆に値上がりするようになったため、従来のような「ハイエンド」「ミドルクラス」「エントリー」といったカテゴリー分けができなくなってきた。
したがって、同じセンサーを複数のカメラに搭載する傾向がさらに強まると思う。
そして、フジフィルムは20万円以上のカメラばかりになるのではないか?