実際にX-S20を購入しました。(左:X-S20/右:X-S10)
X-S20新発売
富士フイルムは、新型APS-Cミラーレス一眼カメラ「X-S20」を2023年6月29日に発売した。
「X-S20」は、バッテリー容量を2倍に増強、AF性能や動画機能を向上させた。
センサーは「X-S10」と同じ「X-Trans CMOS 4センサー」だが、映像エンジンは「X-Processor 4」から「X-Processor 5」へ進化している。
実際に購入したが、静止画なら「X-S10」と画質の差はない。
ただ、望遠レンズ XC50-230mmで撮影した静止画の画質はかなり向上している。
X-S20・X-S10・Z50(XC50-230mm・NIKKOR Z DX 50-250mm)の比較
約1km先から手持ち撮影して、約10倍拡大(レジ番号は加工)

fuji X-S10(レンズ XC50-230mm)
nikon Z50(レンズ NIKKOR Z DX 50-250mm)
購入直後に望遠レンズ XC50-230mmで試し撮りをして、画質が明らかに向上しているのが分かったので高評価だった。
しかし、2ヶ月間使用した段階では印象が変わってきた。
結論から言うと、X-S20は単焦点レンズでポートレート撮影するには非常にいいカメラだと思う。
ただし、ズームレンズの場合は、AFの精度が落ちる場合がある。
同じ場面を100枚くらい撮影して、その中の1枚で100点を目指す「作品撮りカメラ」だと思う。その分失敗も多く、平均すると80点~90点くらいになる。
一方、α6700やEOS R7は、静止画、動画、ポートレート、風景、動き物となんでも90点~95点で撮影できる「汎用性の高いカメラ」だと思う。
したがって、運動会など一般的な用途ならば、α6700やEOS R7がいいと思う。
しかし、フジのカメラで1枚でも素晴らしい写真が撮影できると、フジのカメラが好きになる。
汎用性ならα6700やEOS R7の方がいいのは分かっているが、会心の1枚を求めて、フジのカメラで撮影したくなる。
2ヶ月使用した感想(加筆)
(レンズXF10-24mmで風景を超広角撮影をすることが多い)
2023年7月に購入した時のファームウエアは1.11で、AFが暗所(曇りの室内)で合わないことが10枚中1枚~2枚あった。
(撮影に出かける前に、バッテリーやSDカードが入っているかどうか確認するために、毎回、自宅の室内でドアや壁を試し撮りをする。ドアや壁は面積が大きく、表面の材質が同じなのでAFが合いにくい。しかし、X-S10でも同様に撮影していたが、AFがX-S20ほど合わないことはなかった。但し、X-S20のファームウエア1.11の時のことで、現在は多少改善している。)
ファームウエア1.13にアップデートするとAFが改善したが、それでもX-S10と比較してそれほどAF性能が向上したとは思えない。
被写体検出AFが搭載されているが、X-S10と比較して「動き物」のAFが多少よくなった程度で、ソニーやキヤノンのAFには遠く及ばない。
そもそも、風景撮影がメインなのでそれほどAFに期待していなかった。
それでも、同じ価格帯(約18万円~約20万円)のソニーα6700やキヤノンEOS R7と比較すると、AF性能が劣るので、ちょっとがっかりしているのも事実。
しかも、風景撮影ならX-S10と画質は同じなので買い替える必要はなかったとも思う。
X-S20の重さは491gでX-S10の465gから26g重くなったが、実際に撮影してみると重くなったとは思わない。
しかし、自宅から持ち出すときは微妙に重い(本体491g+レンズ385g=876g)ので、持ち出す機会が少なくなった。
近接撮影
X-S20(XC15-45mm)
X-S10(XC15-45mm)
Z50(Z16-50mm)
X-S20、X-S20、ニコンZ50で近接撮影をしたが、画質の違いはほとんどない。
ニコンレンズZ DX 12-28mm 2023年5月発売・購入
ニコンのレンズ「Z DX 12-28mm」が2023年5月に発売されたので購入した。
その結果、ニコンZ50(レンズZ DX 12-28mm・重さ450g+205g=655g)の使用頻度が高くなった。
ニコンZ DX 12-28mmの焦点距離は(換算18mm~42mm)で、XF10-24(換算15mm~36mm)よりも広角側が弱いが、一般的な風景撮影の8割~9割は使えると思う。
使用頻度で言うと、ニコンZ50(Z DX 12-28mm)が8割、フジX-S20(XF10-24)が2割になった。
当ブログ以外に月間50万PVの旅ブログを運営しているので、超広角撮影(X-S20+XF10-24mm)をする必要がある。
しかし、一般的な利用ならば、Z50+Z DX 12-28mm(換算18mm-42mm)で十分だと思う。
したがって、一般的な利用ならば、Z50のダブルレンズキットと「Z DX 12-28mm」を合計20万円で購入すればいいと思う。
X-S20はボディだけで18万円なので、圧倒的にZ50の方がコスパがいい。
Z50は2019年11月発売だが今でも現役で使っているし、X-S20と同等レベルだと思う。
しかし、最新の高性能を求める気持ちもわかる。それならば、ソニーα6700やキヤノンEOS R7を購入するのもいいと思う。
ただ、キヤノンEOS R7はAPS-C用(RF-S)レンズが少ない。
また、野外撮影する場合は軍艦型EVFが必須だが、ソニーα6700は上面フラットで軍艦型EVFが搭載されていない。
X-S20は動き物には向かない
動き物なら、ソニーα6700やキヤノンEOS R7の方が圧倒的に高性能だと思う。
X-S10(2020年11月発売)も、動き物は得意ではなかったが、体感的にソニーやキヤノンのAPS-C機との差はそれほど大きくはなかった。
しかし、X-S20は3年後に発売されたが、その間にソニーやキヤノンの新型APS-C機はフルサイズ機のAF性能をそのまま搭載し、圧倒的にAFがよくなった。
その結果、X-S20のAF性能とソニーやキヤノンのAPS-C機のAF性能の差は逆に大きくなったと思う。
2023年現在の基準で言うと、運動会など一般的な利用でも、X-S20はAF性能がソニーやキヤノンより悪いのでお勧めはしません。
X-S20は、風景やポートレードなどを単焦点レンズで撮影する場合は非常にいいカメラだと思う。
しかし、静止画の画質はX-S10と同じなのに価格差が大き過ぎると思う。
動画性能が上がったと言っても、それはスペックだけのことで、実際に歩きながら撮影すると手振れがひどい。
被写体検出は実用的ではない
X-S20はオート設定で自動被写体検出をONにすると、保存に2秒~3秒かかるときがあり、シャッターチャンスを逃すことが多い。(レンズXF10-24mmの場合)
早くAF性能と保存時間を改善して欲しい。
V-logモードは一生使いません
V-logモードなんてユーチューバー以外は絶対に使わない機能を無駄につけて値段が高くなった感じ。
一部のユーチューバーの意見にすり寄って、多数の写真ユーザーの意見を無視するメーカーの態度はおかしい。
昔の日本の家電メーカーのように一生使わないような機能を搭載して、韓国や中国に負けたのと同じようになるのではないか?
深度合成機能を搭載すべき
V-logモードよりもフリマ用の撮影にOMDS機(旧オリンパス)に搭載されている「深度合成機能」があれば助かる。
X-S20を購入した理由
ボディの重さ500g以下、軍艦型EVF搭載、超広角レンズ(換算15mm)をアダプター無しで使用できる、グリップが深いという条件からX-S10を購入した。
2023年現在でも、上記の条件を満たすのはX-S20くらいしかない。
(キヤノンR8はフルサイズだが重さ461gと軽量でいいと思ったが、バッテリー容量が少なく、ボディ内手振れ補正も非搭載なので購入しなかった。)
2年~3年後の方針
キヤノンの超広角レンズEF-S10-18mm(240g)のRF-S版がでれば、EOS R7(612g+240g=852g)となり、現在のX-S20とXF10-24の(491g+385g=876g)よりも軽くなる。
すぐには買い替えることはないが、2年~3年後はキヤノンに乗り換えるかもしれない。
また、ニコン Z50の後継機が出て超広角レンズ「AF-P DX10-20mm(230g)」のZ DX版
レンズが出れば、ニコンZマウントに一本化するかもれない。
ちなみに、2023年7月末に「楽天市場」で購入したが、X-S20本体のファームウエアのバージョンは「1.11」で、初期ロットの「1.10」ではなかった。
3ヶ月待ちになっているが、少量ずつ販売されていると思われる。
(噂では、生産台数は月産15,000台だが、世界販売されるので、日本の販売台数は数千台と予想される)
X-S20
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以下は購入直後の記事
X-S20の基本スペック
X-T5は、APS-C規格のスチール用のフラッグシップカメラであり、有効画素数は約4,020万画素となっている。
一方、X-S20は、エントリー~ミドルクラスモデルであり、X-T5との差別化という点から、X-S10と同じ2,610万画素のままとなる。
但し、最新の画像エンジン「X-Processor 5」を搭載している。
バッテリー強化
X-S20はX-T5と同じ大容量の「NP-W235(79g)」を搭載する。
X-S10のバッテリーは「NP-W126S(47g)」で、互換性はない。
重さ
X-S20は491g(バッテリーとSDカード込み)となる。
ちなみに、キヤノンR7の重さは612g(バッテリーとSDカード込み)で、X-S20の方が121g軽い。
被写体検出
- 鳥
- 動物
- クルマ
- バイク&自転車
- 電車
- 飛行機
autoモードでは、上記の被写体を自動的に認識する。
VLOGモード追加
モードダイヤルに「VLOGモード」を追加する。
- 商品紹介モード
- 背景ぼかしモード
動画機能を強化
動画も4K30Pから4K60Pへと強化される。
6.2K30Pにも対応し、4:2:2 10bitで内部収録ができる。
冷却ファン
冷却ファン「FAN-001」に対応する。
SDカード
UHS-IIに対応し、より高速で記録できる。
価格
- X-S20(ボディ単体):約18.4万円
- X-S20(+XC15-45):約20万円
実際に購入しました
目視でも触ってもX-S20とX-S10と違いが全く分からない。
実際にX-S20とX-S10で静止画(標準レンズ)を室内で撮影してみたが、違いは全くない。
一方、望遠撮影(飛行機)ではあきらかに画質が向上している。
X-S20とX-S10は同じセンサーで画像エンジンが「X-Processor 5」になったので多少なりとも画質の向上があると思ったが、静止画(近接撮影)では全く違いはない。
当ブログの推測
X-S20のセンサーはX-S10と同じなので静止画(標準レンズ)の画質はほぼ同じ。
(映像エンジンは最新のX-Processor 5になったが、静止画ではあまり画質の向上がないと思う)
しかし、AF性能が向上したため、望遠撮影(飛行機)でピントが速く合焦するようになったと思う。
そのため、望遠撮影(飛行機)ではX-S10よりも明らかに画質が向上している。
そうは言っても、FUJIのAF速度は、ニコンのZ50をちょっと追い越した程度で、ソニーのα6700やキヤノンのEOS R7には及ばない。
ニコンのAPS-Cカメラ「Z50」でも撮影したが、「X-S20」「X-S10」と画質の違いはほとんどない。
OM-5ならば「深度合成」できるので、画質はOM-5の方がいいと思う。
コメント
風景やテーブルフォトなどの静止画を撮影するなら、X-S10からX-S20に買い替えるメリットは画質の点ではあまりない。
しかし、バッテーリー容量2倍というメリットはある。
ただ、X-S10でも静止画500枚を撮影できるので、X-S10で十分な性能だと思う。
個人の感想だが、AFが多少速くなっているので「動きもの」「運動会」「望遠撮影」がよくなっているが、ソニーやキヤノンの最新APS-C機には及ばない。
ただ、望遠キットレンズ「XC50-230mm」の画質がかなり向上していて、やっと使えるレベルになった。
とは言ってニコンZ50のキットレンズ「Z DX 50-250mm」と同等という程度である。
ただし、望遠撮影時のAUTOモードは保存に時間がかかるので、使い勝手が悪い。
(設定で速くなるかもしれないが、デフォルトでは保存に時間がかかる)
バッテリー
X-S20はバッテリーを強化して、X-S10の2倍の静止画が撮影できる。
公式には「静止画325枚から750枚」へ大幅に増加している。
経験上、X-S10も電源をこまめに切れば500枚は撮影できるので、X-S20はその2倍の1,000枚くらい撮影できると思う。
静止画がメインならばX-S10でも500枚撮影できるので、敢えてX-S20に買い替えるメリットはないと思う。
背面モニタはX-S10の104万画素からX-S20は184万画素に向上しているが、見た目は明確な違いはない。
結論
X-S20で撮影すると、望遠キットレンズ「XC50-230mm」の画質が向上している。
今までは、望遠はZ50で撮影していたが、X-S20+「XC50-230mm」の方が画質はいいかもしれない。
したがって、X-S20だけで超広角から望遠まで1台でこなせるようになった。
機材を統一できるので、旅行の時にX-S20だけ持っていけばいい。
そういう点で、買い替えたメリットはあると思う。
ただ、ソニー α6700 ボディ [ILCE-6700]も気になる。
しかし、ソニー α6700 ボディ [ILCE-6700]は軍艦型EVFがないので、野外の撮影が多いため購入しないと思う。
X-S20のスペック
機種 | X-S10 | X-S20 |
有効画素数 | 2610万画素 (X-Trans CMOS 4センサー) | 2610万画素 (X-Trans CMOS 4センサー) |
測距点 | 425点 | 425点 |
画像処理エンジン | X-Processor 4 | X-Processor 5 |
シャッタースピード | 1/4000秒(メカ) | 1/4000秒(メカ) |
EVF | 236万ドット(0.39型有機EL) | 236万ドット(0.39型有機EL) |
背面モニタ | 104万ドット(3インチ) | 184万ドット(3インチ) |
記録メディア | SDカード(UHS-Ⅰ) | SDカード(UHS-II) |
バッテリー | NP-W126S | NP-W235 |
動画 | 4K30P(連続30分) | 4K60P 6.2K30P |
手振れ補正 | 6段 | 7段 |
質量 | 465g(バッテリー、 SDメモリーカード含む) | 491g(バッテリー、 SDメモリーカード含む) |
発売・発表日 | 2020年11月19日発売 | 2023年6月29日発売 |