OM-D EM5 MK3
「OM-D EM5 MK3」は、2019年11月にオリンパス(当時)から発売されたマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラ。
前モデル「OM-D EM5 MK2」の有効画素数1,605万画素から2037万画素と性能が向上し、AFも「コントラストAF」に加え「像面位相差AF」も搭載されている。
しかし、AFはソニー、キヤノン、ニコン、フジの同価格帯の最新カメラと比較すると2世代~3世代(3年~5年くらい)遅れている。
したがって、一般的には「おすすめカメラ」ではありません。
実際に「OM-D EM5 MK3」を購入したがAF性能が悪いので「nikon Z50」(標準・望遠用)と「fuji X-S10」(超広角用)を購入した。(ブログ収益が好調だったので税金対策という目的もあった。)
しかし、3機種を比較すると逆に「OM-D EM5 MK3」の良さも分かったので現在も使用している。自分の撮影スタイルに合えば、いいカメラだと思う。
ボディ単体で比較すると「fuji X-S10」が最も高性能だが、その性能を引き出すには重くて高いXFレンズが必要になる。
旅行用や街歩き用として、丸一日持ち歩くには「fuji X-S10」と「XFレンズ」の組合せは重い場合がある。
軽快に高画質で撮影するなら「Z50」がいいが、DX用Zレンズは3本しかない。超広角撮影するためにはFTZ(アダブター)を装着して超広角DXレンズを使用することになるが、FTZ(アダブター)だけでも135g重くなる。
「OM-D EM5 MK3」はAF性能が悪いが旅行用や街歩き用の超広角撮影用途の場合、AF性能はそれほど問題ではなく軽量というメリットがあり今でも使用している。
しかし、「OM-D EM5 MK3」はAFが弱いので、飛行機などの「動き物」をAFで撮影するには不向き。ピントが合えば画質はいいが、AFが遅いので歩留まりが悪くなる。
「OM-D EM5 MK3」の特徴
- マイクロフォーサーズ規格レンズの種類が豊富(Z50は専用レンズは4本しかない)
- 登山用や旅行など1gでも軽くしたい(414gバッテリーとSDカード込/本体のみ366g)
- 防塵防滴(Z50やX-S10は防塵防滴ではない)
- 強力なボディ内手振れ補正(Z50はボディ内手振れ補正がない・レンズ内補正のみ)
- 深度合成撮影による商品撮影(異なる深度の8枚撮影してカメラ内で自動合成)
- ハイレゾ撮影(三脚)
- プロキャプチャーモード(シャッター全押しの瞬間からさかのぼって14コマまで記録)
- AFを使わないような撮影、例えば「鉄道の置きピン撮影」「野鳥をMFで超望遠撮影」など
OM-D E-M5 MarkⅢの仕様・スペック
- 有効画素数 2037万画素
- フォーカスエリア(測距点) 121点
- AF方式 位相差AF+コントラストAF
- ファインダー OLED、約236万ドット
- 背面液晶 3型 約104万ドット(3:2)
- 重量 366g(本体のみ)/414g (バッテリーとSDカード込)
「OM-D E-M5 MarkⅢ」「nikon Z50」「fuji X-S10」
OM-D E-M5 MarkⅢ(M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0)の作例
OM-D E-M5 MarkⅢ のキットレンズ(M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0)は深度合成撮影ができる。
これは、深度の違う8枚を自動的に撮影してカメラ内で自動的に合成するもので、単純な比較ではないが、室内の商品撮影ならオリンパスOM-D E-M5 MarkⅢの圧勝です。
ただし、深度合成撮影に対応したレンズが必要。
Z50(NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR)の作例
fuji x-s10(レンズXC15-45mm)の作例
キットレンズ(標準)の比較
800m~1000mの距離から「標準レンズ」で撮影して、中央部をトリミングして比較
OM-D E-M5 MarkⅢ(12-45mm F4 PRO:焦点距離45mm)
Z50(DX 16-50mm:焦点距離50mm)
X-S10(XC15-45:焦点距離45mm)
元画像で比較するとZ50(DX 16-50mm)が一番画質が良く、OM-D E-M5 MarkⅢ(12-45mm F4 PRO)とX-S10(XC15-45mm)は同じレベルの画質。
ただ、OM-D E-M5 MarkⅢ(12-45mm F4 PRO)の焦点距離は換算90mmなので望遠撮影に有利だった。ちなみにZ50(DX 16-50mm)の焦点距離は換算75mm、X-S10(XC15-45mm)の焦点距離は換算67.5mm。
実感として、X-S10に「XC15-45mm」をつけるのであれば、OM-D E-M5 MarkⅢに「12-45mm F4 PRO」をつけて撮影する方が画質が若干いいし、焦点距離も換算24mm~90mmとレンジが広い。
ただ、AFはやはり「X-S10(XC15-45mm)」の方がいいので歩留まりという点では「X-S10(XC15-45mm)」の方がいいかもしれない。
キットレンズの比較なので、X-S10の評価が低くなった。
しかし、XFレンズを組み合わせると、X-S10がもっとも画質がいい。
「OM-D E-M5 MarkⅢ」「nikon Z50」「fuji X-S10」
OM-D E-M5 MarkⅢ(レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6R)
実売1万円のレンズとは思えない高画質で、fujiのXC50-230mmと同等以上だと思う。SNS用に1,000ピクセルくらいにリサイズするならこの実売1万円のレンズで十分高画質で撮影できる。
nikon Z50(レンズ NIKKOR Z DX 50-250mm)
fuji X-S10(レンズ XC50-230mm)
XCレンズでもそこそこの画質になると思ったが、XC50-230mmでは、Z50やOM-D E-M5 MarkⅢよりも画質が悪い。
- キットレンズ(望遠)で比較した場合、やっぱりZ50の方が画質が最もよく、次に「OM-D E-M5 MarkⅢ」、最も画質が悪いのは「X-S10」という結果になった。
- 結局、カメラボディ単体の性能だけを比較しても意味はない。どのレンズと組み合わせるかで画質は大きく変わる。
別の望遠レンズで比較
オリンパス機にパナの望遠レンズ(LUMIX G VARIO 100-300mm)を装着して、もう一度「OM-D E-M5 MarkⅢ(上)」と「XS-10(下)キット望遠レンズ(XC50-230mm)」を比較
OM-D E-M5 MarkⅢ(レンズ LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II)
fuji X-S10(レンズ XC50-230mm)
OM-D E-M5 MarkⅢはAF性能が劣るため「歩留まり」は悪いが、ピントが合うとfuji X-S10やZ50にも負けない高画質で撮影できる。
カメラボディ単体で比較するとfuji X-S10の方が性能が高い。しかし、fuji X-S10の望遠キットレンズ( XC50-230mm)よりも、 OM-D E-M5 MarkⅢ(レンズ LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II)の方が画質がいいと思う。
fuji X-S10ならば「XF 70-300mm(約9万円:580g)」を使用しないとオリンパスOM-D E-M5 MarkⅢ+「レンズ LUMIX G VARIO 100-300mm(約5万円:520g)」の画質を超えることはできないと思う。
結局、fuji X-S10で望遠撮影するなら「XF 70-300mm(約9万円:580g)」は必須だと思う。
fuji X-S10
機材 | 重さ | 価格 |
fuji X-S10(ボディ) | 465g | 12万円 |
XF16-80mm | 440g(カメラ込905g) | 9万円 |
XF70-300mm | 580g(カメラ込1,045g) | 10万円 |
合計 | 1,485g(合計) | 31万円(合計) |
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nikon Z50
機材 | 重さ | 価格 |
nikon Z50(ボディ) | 450g | 14万円 |
Z DX 16-50mm | 135g(カメラ込585g) | |
Z DX 50-250mm | 405g(カメラ込855g) | |
合計 | 990g(合計) |
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旅行に最適、小型軽量レンズ2本
カメラ・レンズ | 重さ |
OM-D E-M5 MarkⅢ | 414 g(バッテリー・SDカード含む) |
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO | 254 g(カメラ込668g) |
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R | 190 g(カメラ込604g) |
合計 | 858 g(カメラ1台+レンズ2本) |
カメラボディ1個、レンズ2本で合計858gとなる。これで(35mm換算)24mmから300mmまで撮影できる。気軽に旅行写真を撮影するならこれで十分だと思う。
しかも、カメラボディとレンズ(12-45mm F4.0 PRO)はともに防塵・防滴・耐低温性能がある。
望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R」は防塵・防滴ではないが、実売1万円なので気軽に使えるし、重さが190gなので荷物が重くならない。
OM-D E-M5 MarkⅢは他機種と比較するとAF性能悪く歩留まりが低いが、各シーンで2枚~3枚ずつ撮影しておけば、一般的な旅行用カメラとしては問題ないと思う。
但し、10万円以上の高性能スマホとの性能差は感じにくい。しかし、スマホよりもカメラの方がしっかりホールドできるので1日数百枚を撮影するならカメラの方がいいと思う。
高画質やAF性能を重視する人なら「nikon Z50」や「fuji X-S10」の方がいいと思うが、「Z50」はセンサークリーニングもなく防塵防滴でもない。
「fuji X-S10」のボディ性能はAPS-C最高峰だと思うが、キットレンズではその高性能を発揮できない。高価なXFレンズを標準と望遠の2本を購入するとカメラボディを含め合計25万円~30万円くらいになってしまう。
「OM-D EM5 MKIII」のAF性能は、「nikon Z50」や「fuji X-S10」と比較すると2ランクくらい落ちる。しかし、SNS用に1000ピクセルまでリサイズすると画質の差はあまり感じない。
OM-D EM5 MKIIIは防塵防滴・軽量なので、登山用、旅行用、街歩き撮影として割り切るなら選択肢にしてもいいと思う。
個人的には、Z50のWレンズキットは高性能なので、キットレンズだけで撮影するならZ50がいいと思う。但し、センサークリーニング機能やボディ内手振れ補正がない。
fuji X-S10は3機種の中でボディはセンサークリーニング機能も搭載され画質も一番いい。しかし、キットレンズではZ50に画質で負けるし、高性能XFレンズは値段が高くて重い。
結局、何を撮影するかによって、最適なカメラは違ってくる。
- 重くて値段も高くても高画質で撮りたいならfuji X-S10
- Wキットレンズだけで十分という人はZ50
- 登山用や旅行用など1gでも軽く、また防塵防滴が必要ならOM-D EM5 MKⅢ
超広角撮影 風景(ビル)で比較
fuji XF10-24mmF4 R OIS WR
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm
従来、OM-D E-M5 MarkⅢ(LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm)で超広角撮影をしていたが、AF性能が悪く歩留まりが悪かった。
そこで「fuji X-S10」とレンズ「XF10-24mm F4 R OIS WR」を合計約26万円で購入した。fuji X-S10のAF性能は高く、XF10-24mmのレンズの解像感も極めて高い。
個人的な感覚では、OM-D E-M5 MarkⅢの歩留まりは80%、fuji X-S10の歩留まりは90%くらいです。
「fuji X-S10」の方が解像度が高いが、カメラ(465g)とレンズ(XF10-24mm 385g)の合計で850gとちょっと重い。
SNS用に横幅1000ピクセルまでリサイズするなら画質の差はあまりないので、手軽にストリートスナップや旅行撮影ならOM-D E-M5 MarkⅢ(414g)とレンズ(LEICA 8-18mm 315g)
=729gという選択肢もある。
数字上は121gしか差がないのだが、持った感じとしては、明らかに「fuji X-S10」の方が重い。
実際、高画質が絶対条件のときはX-S10を持ち出すが、普段はOM-D E-M5 MarkⅢで撮影することも多い。但し、ピンボケ写真が100枚に2枚~3枚でるので、同じシーンを2枚以上撮影するようにしている。
オリンパス OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III ミラーレス一眼カメラ 12-45mm F4.0 PRO キット ブラック [ズームレンズ]